Appearance
設定
テナント設定について説明します。
概要
「設定」メニューから、テナント固有の設定を変更できます。設定は以下のタブに分かれています:
- 基本設定 - テーマカラー、ユーザー情報入力項目
- 本人確認 - 閾値、スプーフ検知、レビュー制御、書類設定
- セッション - 有効期限、コールバックURL
- Webhook - 通知設定
基本設定
テーマカラー設定
本人確認画面のカラーをカスタマイズできます。
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| プライマリカラー | ボタンやリンクなど主要アクションに使用されるカラー |
| セカンダリカラー | 背景やカードなどのベースに使用されるカラー |
| アクセントカラー | 通知や強調表示に使用されるカラー |
ユーザー情報入力項目
本人確認フローでユーザーに入力を許可する項目を選択します。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 姓 | ユーザーの姓 |
| 名 | ユーザーの名 |
| 姓(カナ) | ユーザーの姓(カタカナ) |
| 名(カナ) | ユーザーの名(カタカナ) |
| 生年月日 | ユーザーの生年月日 |
| 住所 | ユーザーの住所 |
本人確認
アルゴリズム閾値
各種判定の閾値を設定します。値が高いほど厳格な判定になります。
| 設定項目 | 説明 | 範囲 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 顔照合閾値 | 書類の顔写真とセルフィーの類似度判定 | 0.0 - 1.0 | v1, v2 |
| ブラックリスト顔照合閾値 | ブラックリスト登録顔との類似度判定 | 0.0 - 1.0 | v2 |
| 顔検出信頼度閾値 | セルフィーから顔を検出する信頼度 | 0.0 - 1.0 | v2 |
| Liveness信頼度閾値 | Liveness検証の信頼度 | 0.0 - 1.0 | v2 |
| Livenessチャレンジタイプ | Liveness検証で使用するチャレンジ方式 | 下記参照 | v2 |
| OCR信頼度閾値 | 文字認識結果の信頼度 | 0.0 - 1.0 | v1, v2 |
| 不正検知感度 | 不正スコア計算の感度 | 低 / 中 / 高 | v1 |
閾値の目安
- 0.7 - 0.8: バランスの取れた設定(推奨)
- 0.8 - 0.9: より厳格な判定
- 0.9以上: 非常に厳格(誤拒否が増える可能性)
Livenessチャレンジタイプ
| タイプ | 説明 |
|---|---|
FaceMovementChallenge | 顔の動きのみで検証(デフォルト) |
FaceMovementAndLightChallenge | 顔の動き + 光の反射で検証(より高精度だが時間がかかる) |
スプーフ検知
不正な画像(ディスプレイ撮影、偽造書類など)の検知設定です。
書類スプーフ検知
| 設定項目 | 説明 | 対象 |
|---|---|---|
| 書類スプーフリスク閾値 | 自動対応の対象とするリスクレベル(低/中/高) | v1, v2 |
| ディスプレイ攻撃時に自動拒否 | ディスプレイ攻撃検知時に自動で拒否またはレビューに回す | v1, v2 |
| 書類偽造検知時に自動拒否 | 書類の改ざん・偽造検知時に自動で拒否 | v1, v2 |
セルフィースプーフ検知
| 設定項目 | 説明 | 対象 |
|---|---|---|
| セルフィースプーフリスク閾値 | 自動対応の対象とするリスクレベル(低/中/高) | v1 |
レビュー制御
判定結果に対する制御設定です。
| 設定項目 | 説明 | 対象 |
|---|---|---|
| 拒否時に手動レビューを強制 | 拒否判定でも必ず手動レビュー待ちにする | v1, v2 |
| デフォルトブラックリストアクション | ブラックリストマッチ時のデフォルト動作(拒否/手動レビュー) | v2 |
運用初期の推奨設定
「拒否時に手動レビューを強制」は運用初期に有効化することを強く推奨します。
本番運用開始直後は、閾値設定が最適化されていない場合があり、誤拒否が発生する可能性があります。この設定を有効にしておくことで、すべての拒否判定を人間が確認してから最終決定できるため、誤拒否によるユーザー体験の低下を防げます。
運用が安定し、閾値が適切に調整された後に無効化を検討してください。
書類設定
本人確認で使用する書類に関する設定です。
許可する書類種別
| 書類タイプ | コード |
|---|---|
| 運転免許証 | drivers_license |
| 運転経歴証明書 | driving_history_certificate |
| マイナンバーカード | my_number_card |
| 在留カード | residence_card |
| パスポート | passport |
OCRマスクフィールド
OCR結果からマスク(非表示)にするフィールドを選択できます:
- 姓
- 名
- 生年月日
- 住所
セッション
セッション設定
| 設定項目 | 説明 | 範囲 |
|---|---|---|
| 検証URL有効期限(秒) | 検証URLの有効期限 | 5 - 86400(24時間) |
| 検証セッション有効期限(秒) | セッション自体の有効期限 | 60 - 2592000(30日) |
コールバックURL設定
本人確認完了後のリダイレクト先として許可するURLを設定します。複数のURLを登録できます。
Webhook
本人確認の結果をリアルタイムで受け取るためのWebhook設定です。
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| Webhook URL | イベント通知を送信するURL |
| Webhook Secret | 署名検証用のシークレットキー |
| Webhookイベント | 通知するイベントの種類 |
通知可能なイベント
| イベント | 説明 |
|---|---|
verification.approved | 本人確認承認 |
verification.rejected | 本人確認拒否 |
verification.pending_review | 本人確認レビュー待ち |
Webhookの詳細
Webhookの署名検証やペイロードの詳細はWebhookガイドを参照してください。
AI設定
「AI設定」メニューから、AIプロバイダーの設定を変更できます。
カスタムAI設定
デフォルトではグローバル設定が使用されます。テナント固有の設定を使用する場合は「カスタムAI設定を使用」を有効にします。
デフォルト設定
グローバル設定では、Vertex AI(gemini-3-pro-preview)が優先的に使用され、エラー時にOpenAI(gpt-5)にフォールバックします。
ベースプロバイダー設定
デフォルトで使用するAIプロバイダーを設定します。
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| プロバイダー | OpenAI、Vertex AI(Google)から選択 |
| モデル | 使用するモデル |
| Canary | トラフィック振り分け割合(%) |
| 有効 | プロバイダーの有効/無効 |
| 優先度 | リスト上位が優先(ドラッグで並び替え可能) |
利用可能なモデル
| プロバイダー | モデル |
|---|---|
| OpenAI | gpt-5、gpt-5-pro |
| Vertex AI | gemini-3-pro-preview |
フォールバック
複数のプロバイダーを登録すると、フォールバック機能が有効になります。
- プロバイダーはリストの上から順に優先度が高くなります
- プライマリプロバイダーがエラーを返した場合、次の優先度のプロバイダーに自動的に切り替わります
- すべてのプロバイダーが失敗した場合のみ、エラーが返されます
例: OpenAI(優先度1)、Vertex AI(優先度2)の場合
- まずOpenAIにリクエスト
- OpenAIがエラーの場合、Vertex AIにフォールバック
Canary(トラフィック振り分け)
特定の割合のリクエストを別のプロバイダーに振り分けることができます。
| Canary設定 | 動作 |
|---|---|
| すべて0% | 優先度順にフォールバック(通常動作) |
| 合計100% | 設定した割合でトラフィックを分散 |
Canary設定の注意
Canaryを使用する場合、すべてのプロバイダーの合計が100%になる必要があります。0%でも100%でもない場合はエラーになります。
例: OpenAI 80%、Vertex AI 20%の場合
- 80%のリクエストはOpenAIに送信
- 20%のリクエストはVertex AIに送信
- 各プロバイダーでエラーが発生した場合は、他のプロバイダーにフォールバック
機能別オーバーライド
特定の機能に対して、ベース設定とは異なるプロバイダーを使用できます。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 書類OCR | 運転免許証やパスポートなどの書類からテキストを抽出する際のプロバイダー |
| スプーフ検知 | ディスプレイ攻撃や書類偽造を検知する際のプロバイダー |
各オーバーライドでも、ベース設定と同様にフォールバックとCanary設定が使用できます。